外国人新入社員に聞く「なぜ今、日本の会社で働く道を選んだのか?」

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両国の採用基準の違い

金: そうですね、さっき話したとおり韓国だとスペック社会でスペックを見ているんですけど、日本では社風や根性・人柄を見る。日本だとスペックよりは人柄や人間性、可能性を見て、配属先を決めるんですけど、韓国だと空いている席を見て、そこに合うような人を採るイメージです。

房: 同じアジア圏なので配属先(職場)の雰囲気を読むというのは変わらないと思うんですけど、日本の場合は馴染むかを見る。
韓国だと日ごろ「根性」ってものを人に求めていないので「根性」って単語はあまり使わないんです。「根性」っていうと「粘り強い」とかになると思うんですけど、韓国で「粘り強い」って言ったら色々面倒くさいって風に取られるんです。ハキハキパッパとやればいいものをなんでそんなに粘り強くやっているの?って逆に面倒くさいと言われてしまう。

元々出来あがった状態で仕事の出来る人を日本企業も求めていると思うんですけど、自分の雰囲気に合わせてどんどん頑張って一人前になってほしいっていうのもあって、そうやって考えていくと求めている人材が異なるのかなと思います。韓国の場合は最初から語学の勉強もやって、大学時代もインターンとかあって、即戦力というのを求めているかなと思っています。でも実際経験はしていないので本当はどうかな、というのはあります。

金: 日本企業は色々教えてくれながら育ててくれるのがありがたいなと思っています。人材育成に関しては韓国よりはいいのかなと。

房: 日本の場合は社会の雰囲気的に余裕があります。韓国だと私の高校入試の時の話になってしまうんですけど、冬休みに朝8時から英語の塾に行って一日300個くらい単語を覚えて、それが終わると他の科目の塾に2、3時間行って、終わってから宿題して寝て、また8時に起きて塾に行ってみたいな生活をしているんです。これは韓国だとそこまで特殊じゃないケースなので、日本の中高生見ると「結構余裕あるな」と感じます。そういう社会的雰囲気があるから求めている物も異なるのかなと思います。

写真:両国の採用基準の違い

日本人ビジネスマンに感じること、思うことは?

金: 感じたのは、就活生や大学生を見るとあんまり夢が見えないというか欲張り性があんまり見えない。安心感を求めて仕事を探そうって人が多くて。「もうちょっと欲張ってもいいんじゃない?」「もうちょっと欲張ってチャレンジしてみてよ」って思うんですけど、「別にいいよ」「こんなもんでいいよ」って保守的な人が多いですね。

房: それは私も日本に来て最初びっくりしました。同じ大学生と話していて、例えば韓国人って韓国を出られるのなら出たいんですよ。でも日本人は「なんで出たいのかわからない」とか「他の国に行くなんて想像がつかない」と言うので「なんだろうなあ」って。

金: それが夢な人もいるんですけど、先生や公務員のような安定的な仕事に就きたいって準備する人が多くて。

房: 安定主義と言えば安定主義なのかもしれないですね。

金: 僕も20代ですけど、もうちょっと20代だから欲張って活発にトライしてみたらいいのになって印象がありました。それなりに国内の市場が大きいって言うのも有るのかもしれないですね。

房: そうですね。多分、日本を離れなくても困らないから「なんで出るの?」ってなっちゃうのかもしれないです。韓国は競争が激しいっていうのもあるので、それなら外国のほうがたくさん機会もあると思って、外国に行きたいと思うんですよね。

写真:日本人ビジネスマンに感じること

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