育男たちのリアル

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「イクメン」の定義

大谷:世間でいうところの「イクメン」は何を求められているのかな。「夫婦で半々、男性陣が家庭のことも」というのは、いろんな仕組み上なかなか現実的じゃない。俺がやりたい、やりたくないじゃなくて。

森山:そうですね。

大谷:やれるんだったら別にやりたいよ。土日にうちの妻、家で仕事したりするから「ちょっと今日、一日仕事ある」と言われたら御飯も作るし、掃除も洗濯もやるし、それが役割分担だと思うんだけど。「イクメン、イクメン」言っているこのブームは一体何を求めているんだ?とちょっと思う。

森山:大谷さんが考える「イクメン」のイメージってあります? 大谷さんの家は2人が娘さん、1人が息子さんで、年齢的にもこの中で一番先輩でもありますし。どうですか?

大谷:ちょっと妥当じゃないかもしれないけど、別に会社で仕事をしてようが、家でご飯を作ってようが「自分自身の時間を使っている」、というのは一緒なわけ。その負担は等分にしたいよね、と思う。俺が毎日毎日定時に帰って、家でビール飲んで寝るだけなら「家のことを何もやらないのはおかしい」と言われて当然だと思うよ。たとえ妻が専業でもね。家族なんだから、子育てだけじゃなくて。いろんな負担もあるから、それはきちっと半分ずつ分かち合いたい。

仕事の負担が大きければ「そりゃ仕事しかしてなくても、仕方ないよね」と思うわけ。それを「家庭を顧みない」「イクメンじゃない」みたいなのは、ちょっと違うかなと。年に何日かしか休みがないとか極端な話じゃなければ。

森山:それはそれで、ちゃんと役割があって互いに分かり合えてやれていれば良いと。

大谷:平日は平日で妻はいろんなことやっているわけだから、平日仕事が忙しくても土日に「俺は平日忙しいんだから好きなことさせろ」とか、そういうことはあんまり思わない。まあ、少し寝坊したいとかはあるけど。土日に何をするというのは、お互いのやりたいことをお互いきちっとやればいいじゃない。今だと結局、やりたいことは家族皆で何かするってことになりがちだけど。

森山:鈴木さんはどうですか? 「イクメン」とは。

鈴木:「できることはやるし、できないことはやらない」ですかね。

大谷:できないことをやらなきゃいけない瞬間がくるんだよ。

鈴木:(笑)。「イクメン」って言われても、まだ正直ピンとこないですね。

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森山:時代も変わってきて、「イクメン」が企業として求められることもあれば、地域的にもあるかもしれないけど、僕たちなりの「イクメン」像が作っていけるんだったら、いろいろやっていっても面白いかもしれないですね。

大谷:そもそもその「イクメン」という言葉があること自体がね、男はやらないだろうという前提に聞こえるわけよ。

森山:そうですね。「やれることはやっていますけど」と言いたい。

大谷:時間があれば、結構やりたい人は多いんだよ。幼稚園とか小学校にお父さん仲間がいるんだけど、みんなすごい真剣なのよ。学校に対してとか、子供と一緒にこういうことやりたいとか。だからあえて「イクメン」とかいう言葉を作って、そういうことをやんなきゃいけないんだ、みたいなね。変にハードルが上がってきていること自体が何かちょっと勘違いじゃないかっていう気もしている。むしろ踏み込みにくくなっているような。

森山:言葉の定義がちょっと分からないというのはありますね。

大谷:そうそう。そのお父さんたちも頑張ったあとに、夜みんなで飲みに行くのが楽しい、とかそういうのもあるんだけどね。

森山:それもいいかもしれないですね。地域のお父さんたちとの交流も大事だったりしますからね。

鈴木:それも含めて、子育て楽しんでできるかどうかが大事ということですか。

大谷:でも、子供ができるまでは、それを通じて知り合った近所の人と飲みに行くとか全然想像できなかったから。そういう変化も大事にしたい。

鈴木:僕それ、ちょっと楽しみというか。まだマンションに誰も知り合いがいないんですよ。ご近所さんに知っている人、頼れる人がいないので。

大谷:子供がいなかったら絶対できないよね。

鈴木:そうですね。接点がないので。

森山:同じマンション、同じ町内とは限らない。子供を通してだから、ちょっと離れたところでも付き合いが出来てくるかもね。

鈴木:ご近所付き合い、ちょっと楽しみではあります。

森山:産休取ってみたら? 面白いじゃん。積極的に取るお父さんとか。別に1年間じゃなくていい、月に3回取るとか。

鈴木:ああ、そうですね!

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