人生の糧になる仕事
亀田:社会人になってみて思ったことはたくさんあります。トラブルもいろいろ(笑)。目の前に来ることは必然なのかな、と。偶然はあんまりないなと思うようになってきました。あのときあれをやったから、結果としてこうなっている。だから、全部必然なのだと受け入れようと思いましたね。
市村:受け入れざるを得ないですよね。社会人だから。学生と一番違うのは責任を負うことですからね。
亀田:最初がサービス業だったので、お金を払う側ともらう側の違いをすごく実感させられました。払う側は、神様(笑)。何でも言えるし、何でも要求できる。お金をもらう側は本当に大変だと思いました。それはやっぱり社会人になってみないとわからない感覚でしたね。
市村:そうですね。会社に所属することも同じですよね。フルタイムで働くということは、それ以外の人と比べて責任も負わなければいけないでしょうし、それだけのベネフィットを受けている。そういう関係は、学生の頃に思い描いているものとはだいぶ違うと思いますね。
亀田:最初にベンチャーに入ったおかげで、自分が働いたことに対する対価が給料だという感覚が身につきました。
市村:自分の考え、フィロソフィーとか、自分が持っているものを共有してくれる同僚や部下は、自分で育てないといけないですよね。自分ひとりで仕事ができるわけではないですからね。
亀田:自分ひとりで仕事ができないというのは、実感することが多いです。何も完結しない。協力者を求めなければいけないし、自分の価値観を押し付けたらだめだというのも経験しました。そこが、ゼミのグループワークでやっていたこととつながっています。当時は、自分の意見を言えば良かったですけど、仕事では一歩進んだ先まで考えないといけないと思いましたね。
市村:やらなければいけないことが、学生の頃よりどんどん大きくなりますからね。
亀田: 20代の間は、力をつけたかったので、遊びの時間を犠牲にしようと考えました。遊ぶ時間は全部仕事をしていましたね。それで今まで突っ走ってきたので、水上印刷に入って、土日休みができた、趣味ができた(笑)。
市村:1日24時間のうち、仕事をしている時間は相当長い、1/3以上ですよね。家庭にいるよりも長い時間仕事をしていると思うので。その時間が楽しいというのは、本当に人生の喜びです。
亀田:僕は好奇心が強くてどんなことも楽しむタイプなんですけど、好きかどうかはまた違う話で。デザインはやっぱり好きなんですよね。好きだったら大変だとしても、全てを糧にできる気がする。
市村:今、人生を謳歌している感じですよね。生き生きとしていますね。仕事が楽しいと思えるのは、一番幸せなことだと思います。
亀田:本当にそうですね、僕は幸せ者です(笑)。先生、今日は本当にありがとうございました。