ニッポン総転職時代に目指すハッピーキャリア

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ニッポン総転職時代を考える

遠藤: 転職はどういうときに考えるとよいのでしょうか。僕も転職を考えたし、実際転職しましたけど転職はしないほうが良いのか、積極的に活用したほうが良いのか。

綿古里: 転職したくないと思っている人はほとんどいないと思っています。1%いるかどうかで。
「どこかいい企業があれば」と、絶対思っていると私は考えています。

遠藤: なるほど。

綿古里: 仕事をしていれば当たり前ですけど、限界を感じたり、つまらなくなったりする時期がある。その打開策が社内で実現できるかできないかが、転職するかしないかだなと。

遠藤: 何か新しいチャレンジをしたい時や、キャリアの転換点を考えた時、新しい他の会社へ行くか、今の会社に残るか。どちらの選択肢が魅力的かということですよね。

綿古里: そうですね。やはり、転職を考えたけれど現職に留まる人も結構いますよ。

遠藤: 僕の場合、応募先の会社の方から「NTTデータさんでキャリアを続けていいんじゃない?」と何度か言われました。
本当に偶然に会社を移るきっかけに巡りあったのですが、転職を考えた時に自分を振り返ってキャリア開発とか、いろいろな観点で自分のやりたいことがやれているかの棚卸しが必要ですよね。

綿古里: 木に喩えてどんどん自分の働く価値観を分析する手法がありますよね。小・中・高から全部やって、立ち戻って考えることが出来ればぶれないと思います。実は前後2~3年の間でやりたいこと、で振り返っても難しいかもしれないですね。

遠藤: 綿古里さんはこの先転職したいかどうかなんて、今はわからないですよね。

綿古里: 今はわからないですけど、良いお話があったらします。楽しく仕事をしたいので。

自分の強みにフォーカスしたキャリアプラン

遠藤: キャリアで考えると、僕は65歳の定年までならあと20年以上あります。長い分だけ楽しく働けそうな気はするんですけど、長いなあと思うこともあります。
今は社会人19年目なのですが、これまでのキャリアの節目は大体5年単位で、途中に配置転換や昇格等の変化が入っていました。
なので、次の節目も5年単位で考えています。実現するかは別にして、何をしたら常に楽しくチャレンジやストレッチができるだろうか、と。

綿古里さんはこれから定年まで30年以上ありますよね。30年のプランはありますか? 

綿古里: 仕事のこととは全く話が変わるんですけど、私ライブや音楽がとても好きなんですよ。

遠藤: ベースでしたっけ?

綿古里: そうです。ベースを始めました。最近はサボりがちですが(笑)。
音楽がとても好きでライブやフェスなどもよく行きます。ああいうの、すごくないですか? 感動を与えられる仕事は、本当にすごい。

遠藤: ですね。

綿古里: ああいう、ぞくぞくする仕事をしたいなと。人に感動を与える瞬間を自分も作れないかなと思います。毎日の仕事の中で人を感動させられたら楽しい。つなげていくとか、相手に楽しくなってもらうことが私も楽しいから。

人はどういうところで評価されるんだろうとか、なにを大切にしているんだろうとかが気になるんです。普段応対している人と話す時も「この採用が成功したら、この人は褒められるのかな」とか考えてしまいますね。その人の会社というより、その人自身への興味のほうが大きいです。

今は法人営業で、事務処理は苦手なんですけどね(笑)。

遠藤: 綿古里さんは「これは自分のやりたいこと」、「これは避けたいこと」というのが明確ですよね。
人間、強みにフォーカスしたほうが絶対に良いので、明確なのはすごいなと思います。

綿古里: 1~2年目の時は何でも出来たほうがいいと思っていたんですけど、今は得意なものを伸ばしたほうが跳ね上がるのではないかと思っています。

遠藤: ストレングスファインダー(※1)とかやりました?

※1 ストレングスファインダーの説明
ストレングスファインダー®は、アメリカの世論調査と組織コンサルティングのギャラップ社が「人は自分の弱みを改善するよりも、自分の強みに意識を向けそれを活かすことで最大の能力を発揮する」という考え方に基づき開発したツールです。Webサイト上で177個の質問に答えていくことで、自分の強みを知ることができます。

綿古里: 共感性、社交性、着想、ポジティブ、未来志向でしたね。

遠藤: なるほど。持ち味が現職に活きていそうな感じがしますね。

綿古里: 営業は好きですね。「ずっと続けられるのかな?」と思うことはありますけど。

遠藤: こういうツールを使って自分の強みをきちんと認識するのは大切ですよね。僕も前のチームで各々ストレングスファインダーをやって、それをチーム内で共有していました。最近はMBTI(※2)というタイプ診断を使うこともあります。綿古里さんの結果をお聞きすると、研修の講師なんかも向いていそうな気がしますね。そこで受けた人が何か感じれば、感動にもつながりますし。

※2 ユングのタイプ論をもとにした、世界45カ国以上で活用されている国際規格に基づいた性格検査
http://www.mbti.or.jp/what/

綿古里: そうですね。興味はあります。
あとスピーチライターにも興味がありますね。スピーチライターというのは、どうやったら人に伝わるように伝えたいことを話せるかを提案するんです。

遠藤: スピーチの内容によって人を感動させられるとは思いますが、言ってしまえば裏方な仕事ですよね。直接接するわけではなく誰かを介してでもいいんですか?

綿古里: 高校の時にチアリーディングをやっていたんですけど、“応援”も私たちが直接評価されるわけではないんです。

遠藤: そうなんですか?

綿古里: 野球部を応援する活動がメインの部活だったんです。チアリーディングというより、応援部のような感じ。「少しでもがんばろうと思ってくれたらな」という、サポート的な気持ちをもっております(笑)。

遠藤: 自分が主役でというよりは、誰かのために献身的に仕事をしたい、という感じなんですね。

綿古里: 結局そんな感じになってしまいますね。営業していても楽しいのは「どうしたらこの人と意思疎通できるんだろう」「同じ気持ちを共有出来るんだろう」、ということを考えるのが楽しいです。好かれたいのかもしれないですね(笑)。

自分の強みにフォーカスしたキャリアプラン

自分のハッピーキャリアの作り方

遠藤: 綿古里さんなりの「ハッピーキャリア」、楽しく仕事をするために何か気をつけていることとか、この先なにをやっていこうかとか、ありますか?

綿古里: 自分がやりたいことができて自分がよければいいんですよ、と思います。誰にどうこうとかより。自分の欲求はなんだっけと、自問自答できるか。

遠藤: 普段仕事をしていると、いいことも嫌なこともありますよね。へこんだとき、どうやって回復していますか?

綿古里: 悪いことは起こるので、しょうがない(笑)。
落ち込んでもだいたいすぐ立ち直れるんですよ。ひきずっていてもしょうがないですしね。我ながらいい性格をしているなと思うんですけど。

遠藤: 受け入れて、戻ってこられるんですね。

綿古里: 悩みますけど、悩んでいないように見せているかもしれないですね。

遠藤: なるほど。では逆に、一番のやりがいは何ですか。

綿古里: いっぱいありますけど(笑)。

遠藤: 仕事のやりがいがたくさん語れる方は、そうそういないですから是非お聞きしたいです(笑)。

綿古里: まず、楽しい。私は商談が非常に好きなんです。常に新しいことが生み出されるあの空間が。

遠藤: ほう。それから?

綿古里: 次は、期待してもらえるのがすごく好きです。私たちが売っているものは不確実です。でも、可能性に期待して任せてもらえる。

遠藤: 先行投資をしてもらえる?

綿古里: そうですね。なので「任せてもらえた」というプレッシャーの中で結果を返せるように頑張り続けるんです。それから、何かあったときに相談してもらえる。会社を利用して、お客さんの相談にのれる(笑)。お金にはなっていないけど、今回はそこに固執することはないな、というときがあるので。

遠藤: ありますね。

綿古里: すぐに実らなくても、先のいつかにつながっていると思うので。コンペで負けることもありますけど、私の中では受注するまでは失注はない。インテリジェンスの先輩営業の受け売りですけど。

遠藤: ああ、いいことですね。

綿古里: その営業の人も言っていましたけど、いかにそこまで寄り添えるか、ですよね。

遠藤: そうですね。成功と失敗で言われますよね。成功するまでやり続ければ失敗はないって。

綿古里: そうです。私自身は、「ヒト」に関わって、良い影響を与えていきたい。それぞれのハッピーキャリアを支え、サポートをしていきたいですね。その先は、人に感動を与えられるほどの仕事を。

遠藤: 転職も同じかもしれませんね。自分が正解だと信じた場所で、成功するまでやり続ける軸を持つ、というのが転職の成功かも。
今日は、ありがとうございました。

綿古里: こちらこそ、ありがとうございました。

成功するまでやり続ければ失敗はない

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