女性が活躍するための制度
高橋:女性が活躍する社会でのお話があったじゃないですか。実際お話を聞いて、「これはいいな」って思った制度とかありますか?
山田:そういう取り組みは基本的にはある程度の規模で、柔軟な働き方や制度を取り入れている会社で行われていることが多いと思うんですよね。やっぱりデザイン業界だとまだまだ浸透していないし、少人数の社員で実現していくのはなかなか難しい。
みんな、やりたいと思っていることは基本的に同じようなことで、時短勤務や在宅で仕事が出来るように、と考えているところが多いです。
あと残業を少なくしようとしているところですね。女の子が多い会社は「みんな21時か22時には帰ります」と言っているところも最近は増えてきていると感じます。
高橋:やっぱり増えているんですね。在宅とか結構増えました?
山田:時短は増えましたが、在宅に関しては「そういうふうにしていきたい」という話だけで、実際にやっているところはまだあまり聞かないですね。
高橋:じゃあデザイン業界もちょっとずつ改善というか、女子も働きやすい環境になってきたということなんですか?
山田:多分長い目で見れば、これから変わっていくんじゃないですかね。働き方をその人に応じて変えて「この人は時短」とか「この人は普通に」とか。その代わりお給料とか待遇も多少変わってくると思うけど、その人が望む形をなるべく提供して、仕事のことは勿論、会社のこともわかっている人がいなくならないように、という感じなんだと思います。
高橋:確かに私も「男の子はいいけど、女の子はある程度の規模の大きさのところに行った方がいい」ということを、就活の時に言われました。
山田:とある会社の方に「女性社員が結婚したんだけど、彼女もゆくゆくは産休を取ったりすることがあるかもしれないから、そういうことも考えていかなきゃと思っているんです」といったお話をお聞きしたんですけど、そう言っているうちに子供が出来て、産休取ることになったみたいです。初めてのことだから難しいこともたくさんあると思うけど、出来れば復帰してほしいですよね。
復帰した後も、ちゃんと働ける環境だといいなあと思います。
高橋:周りの友達とかを見ていても思います。「みんなすごく頑張っているから復帰してほしいなあ」って。
山田:周りにも負担が掛かるところもあると思うので、なかなか課題の多いところですけれど。色々理解してもらえて活躍できたらいいね。
高橋:先生は何故、教鞭をとろうと思ったんですか?
山田:最初は全然先生になるつもりなかったんですけどね。でも結果としてはこういう道もありかな、と思ったんです。
高橋:そうなんですか?
山田:学生の頃は普通にデザイナーになるんだと思っていました。一度はデザインプロダクションに就職もしましたが、「助手やってみる?」と言われて「じゃあ助手やってみます」みたいな感じで。
高橋:なにが起こるかわからないですね。
山田:それが結果的に良かったかなとなるかもしれないし、わからないものだなって思う。仕事しているとやってみたいことや、向いていることに改めて気付くのは自然なことだと思うので。最初にデザイナーになるって言ったから一生デザイナーでいないと失敗なわけじゃないよね。
高橋:今、それは本当に実感していますね。
DTPオペレーターとして、入社1~2年目ぐらいまでは黙々と作業をしていたけれど、3年目くらいからフード系のリーダーを任されて、他のオペレーターに仕事を割り振ったり、段々作業の進行管理をする方向にシフトしていきました。
いまはデスクとしてお客様と社内のオペレーターの間でどちらともコミュニケーションをとっていく仕事が楽しいです。
もっとDTPディレクターということを活かして、お客様と印刷の色づくりの話とかしていきながら、前にでていきたいですね。
山田:これからもたくさんの経験を積んで、少しずつ変わっていく環境や自分自身も楽しみながら働いていけたらいいですね。